lesson7 業務効率化のための役割分担は落とし穴に注意!

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レッスン内容の文字起こし

今日のテーマは「業務効率化のための役割分担は落とし穴に注意!」です

業務は役割分担した方が効率的に見えます。

これは確かにその通りで、扱うものが「物」である場合には効率が良いんですね。

お弁当屋さんが、お弁当を作ります。

ご飯を炊く人がいて、ご飯を容器に詰める人がいて、おかずを作る人がいて、おかずを容器に詰める人がいて、

それを梱包する人がいて、できたお弁当を陳列する人がいて。

相手にしているのが「物」の場合には、役割分担は有効です。

なぜならイレギュラーな出来事が起きないからです。

決められたことを決められた通りにやっていく。

これで丸く収まる仕事は役割分担しても良いんですね。

問題はイレギュラーな出来事が起こる業務なんです。

これを役割分担していくと、実は効率的に見えて非効率になってしまうことが多いんです。

1つ例を出します。

ある学校では、自分の学年の子はその学年の先生で責任をもって面倒を見ましょう、という方針でした。

1年生は1年生の先生で、2年生は2年生の先生で、3年生は3年生の先生で、という役割分担だったんですね

で、1年生の子が職員室に駆け込んでくる。

「先生、教室で○○くんが暴れてます!大変です!」

なんてことがあるわけです。

職員室には2年生の先生しかいない。

「じゃあ、ちょっと1年生の先生を探してくるわね」

なんて言ってですね、そこにいた2年生の先生たちが、1年生の先生を探しに行ったんですね。

これ、冗談みたいな話なんですけど、本当の話なんです。

別にどの先生が行っても良いじゃないですか?

でも、役割分担って、ある意味では守備範囲を決めることになってしまって、相手の領域には入らないでおこうとする制限が生まれるんです。

役割分担をすることで、一見自分の責任の範囲が明確になって、業務の効率が上がるように見えます。

でも、実際はそうではないんですね。

野球に例えると、ショートとセカンドの間、二遊間をゴロが抜けていく。

じゃあ、ベースよりこちら側だったら、僕が捕るね。その代わりベースよりそっちだったら、セカンドの君が捕ってよ

とやるのが役割分担です。

守備範囲を決めるんですね。

その結果、何が起こるというと、ベースの真上を通ったボールに対して、「それは僕の仕事じゃないです」「いや、それはそっちの仕事でしょ?」が起こるんです。

けっこう役割分担したときの「あるある」で、イレギュラーな出来事とか、予定していなかった想定外の業務が回ってきたときに、業務とか責任のなすりつけあいが起こってしまう。

あと、担当者が休んだり辞めたりすると、途端に業務が滞るなんてこともあります。

これも一つの例なんですけども、職場で会議資料をまとめてファイルしておくという誰でもできそうな仕事があるんです。

で、僕がその学校に転勤で異動してきたんですが、「去年の資料が見たいんですけど」って言ったらですね、

管理職が「資料がない」って言うんです。

「いや、保管義務がある書類ですよ?」って言ったら、「あのね、保管する先生が体調不良で休職して。その間の資料がないんだよね」

って言うんです。

これはちょっとやばい職場に来たな、と察知したんですけど

「資料がないこと」がヤバいんじゃないんです。

役割分担を明確にしていて、互いのフォローをする体制がないことが問題なんですね。

さっきの野球の例で言うと、2塁手がセカンドベースよりこちら側のゴロだったけど、捕れなかったんですね。

でも、それをカバーしたショートがキャッチしたんです。

それで良いじゃないですか?

1年生の子が教室で暴れてます。

1年生の先生はいません。

じゃあ、そこにいる2年生の先生が対応すれば良いじゃないですか?

実は役割明確にしていくと、動きに制限をかけてしまうんですね。

ここまでは自分の仕事、ここからは相手の仕事という意識が生まれてしまいます。

一人ひとりに責任を持たせるために、役割分担をするという方法は、流れ作業などイレギュラーなことが起こらない業務では有効ですが、想定外のことが起こる中で対応していくような仕事では、非常に効率の悪いものになりますし、責任の所在を明確にしてしまったがゆえに、「それは私の仕事ではないです」という職業人としては、とても無責任な態度が生まれてしまうんですね。

と言うわけで、互いの守備範囲を明確にしてしまうと、互いの境界線にある仕事のなすりつけ合い、もしくは譲り合いが起こる。

守備範囲の広い狭いはあるのだから、捕れる人が捕る、という組織を作っていった方がフォロワーシップも生まれやすいわけです。

弊社ではチームづくりに関する無料の相談も行なっております。

ぜひご活用ください。

それではまた、次回の動画セミナーもお楽しみに。