その「目標設定」は適切ですか?脳の傾向の違いを知れば、人間関係の事故は未然に防げます。

脳の傾向が違う2人

我が家の長男くんと長女ちゃんは、真逆の価値観で生きている人間です。
それは僕が主として教えているSTR(素質適応理論)を用いて明らかになっているのですが、今日は顕著な一例をご紹介しますね。

長男くんは、「目標達成型」の考え方をします。

目標を設定すると、頭の中でプランニングを行い、目標を達成しようとします。
これを意識してやっているわけではなく、自然とそうなってしまう、脳の傾向なんですね。
逆に言えば、目標がないと何をしていいかわからなくなる。

そんなタイプです。

目標があれば、それを達成するためにモチベーションに火をつけ、目標を見失えば何をしていいのか、路頭に迷うタイプです。

一方、長女ちゃんは積み上げ型の人間です。
ある意味、行き当たりばったり。
いやいや、行き当たりバッチリ!の人間です。

目標も要らなきゃ、プランも要らぬ。
目の前にあることをこなして行ったら、あらぬところにたどり着いていた。

そんなタイプです。

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「目標」という言葉の意味の違いから生まれた誤解

以前、長女ちゃんが中学生になったときの話です。初めての定期テストを前に、長男くんが尋ねました。

「お前、初めてのテストの順位は何番に入りたいんだ?」

すると、長女ちゃんは答えました。

「1番になりたい!」

それを聞いて、長男くんはアドバイスを送り始めました。
「そんな勉強法じゃダメだ」とか、「1番は無理だ」とか、「もっと勉強しろ!」だとか、ごちゃごちゃ言い始めたのです。

彼の頭の中では「1番を取るためのプランニング」が始まったんですね。
すると、長女が怒るんです。

「私、1番になるとは言ってない!」

続けて、こう言うんです。

「1番になりたい!って言っただけじゃん!」と。

長男くんは混乱します。
イライラして見せます。

「だから、1番になりたいんだろ?だったら、こういう勉強をしろよ!」

彼の脳は「目標達成脳」なんですね。
一方、長女ちゃんには、そんな要素はないんです。
「1番になれたらいいな!」なんです。

彼女にとっての「目標」は、「なれたらいいな」という「夢」のようなものなんですね。

一方、長男くんの目標は「到達目標」なんです。
為すべきこと、やるべきことなんです。
だから、彼は「できないこと」は言いません。

「できる範囲」を目標に掲げます。
だから、目標は低く設定されます。

長女ちゃんは、できもしない目標を立てます。
目標は達成できなくてもいいんです。

あくまでも「目標」、それは「夢」のようなもの。
だから、目標を高く設定されます。

これ、上司と部下に置き換えてみてください。
いろんな事故が想像できますよね。

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ドキッ!こうして人間関係はすれ違う!

長女ちゃんが上司で、長男くんが部下の場合、目標は高く設定されます。
そして、部下はできもしない目標を、(なんとか達成せねば!)と考え、疲弊していくわけです。

上司だって「できる」とは思っていない。
「できたらいいな」という目標です。
でも、部下はそれをタスクのように感じてしまうわけです。

反対ならどうでしょうか。

上司は低い目標、これならできるだろう…という目標を設定します。
でも、部下は「できなくても仕方がないよね?」って考えてしまう。
低く見積ったのに、それすらやらない部下に堪忍袋の緒が切れてしまうわけです。

脳の傾向が違うがために、こんな事故が職場やチーム、学校、家庭のそこかしこで起こっているとしたら、それは悲劇でしかありません。

人がたくさん集えば、そこにはいろんな価値観や感覚をもった人がいる。
そのことを忘れないでいたいものです。

この記事を書いた人

くればやし ひろあき

株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

「自分で考え、自分で行動する人を育てる」をモットーに、16年間公立中学校で3,000人以上の子どもたちや若手教員を指導。当時世界最大の児童生徒数だった上海日本人学校や市内で最も荒れた中学校などで生徒指導のリーダーを務める。
独立後はその経験を生かして講演活動を行う傍ら、セミナーやコンサルティングを通して、企業や学校、チームからご家庭まで、大小さまざまな組織のマネジメントをサポート。
独自のアルゴリズムで人材分析を行う人事支援アプリ『CrewDocks®︎』を開発。
TikTokに「人間関係づくり」をテーマにしたショート動画を配信し、フォロワー数は11万人を超える。