仕事の依頼をするときに注意したい、部下のやる気を失わせるオファーの仕方

対価なくお仕事を頼むときって、ありますよね。
「ちょっと手伝ってよ」みたいな感じで。

そんなとき、ちょっと怪訝な表情を見せるタイプがいます。
頼まれたからと言って、気軽に動くわけではない人たちですね。

で、こういう人たちって案外「お金で動く」タイプだったりします。
「このぐらいの金額を払うからやってくれない?」なんてお願いをすると、「それならやります」って答える人たちです。

それを見て、「金で動くんだ」「ケチな人だ」と思われがちです。

でも、間違えないでください。
実はこの人たち、お金で動いているわけではないんです。
ボランティア精神がないわけでもないんです。

簡単に言えば、搾取されたくないんです。

時間でもそう。
体力でもそう。
お金でもそう。

とにかく奪われるのが嫌なんですね、気持ち的に。
いいですか?気持ち的に、ですよ。

それと同時に「対価」を払うことが「自分に対する誠意」と受け取る人たちでもあります。

別にこれは「ご馳走する」でもいいし、「誰かいい人を紹介する」でもいいんです。
きちんと対価を払おうとする姿勢に誠意を感じるんですね。

「いいじゃん!友達なんだからタダで手伝ってよ」

そんな声かけはやっぱり「誠意がないな」って感じてしまうんですね。

一方、「仲間なんだからいいじゃん。手伝ってよ」って声をかけられるとうれしいタイプもいます。

そんな人に、「お金をあげるから、これをやってよ」なんて言うとどうでしょう。
ちょっと寂しい気持ちになったりするんですね。

もちろん「お金」を得られることはうれしいのですが、どこか「水臭いな」「他人行儀だな」「ドライだな」と感じてしまうのですね。

人それぞれ、ものの見方や感じ方は違います。
だから、それを知らずに「オファー」をすると、相手に嫌な気持ちを与えてしまうことがあるんですね。

ちなみに、僕はどんな仕事であれ、対価を必ず用意して、お願いをしています。
その方が僕の心地が良いからなのですが、そういう僕の気質もみんなが知ってくれていて、気持ちよく仕事ができています。

ですから、自分自身のやる気の源泉を知ってもらうこと、そして、相手のやる気の源泉を知ることが大事なんですね。

この記事を書いた人

くればやし ひろあき

株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

「自分で考え、自分で行動する人を育てる」をモットーに、16年間公立中学校で3,000人以上の子どもたちや若手教員を指導。当時世界最大の児童生徒数だった上海日本人学校や市内で最も荒れた中学校などで生徒指導のリーダーを務める。
独立後はその経験を生かして講演活動を行う傍ら、セミナーやコンサルティングを通して、企業や学校、チームからご家庭まで、大小さまざまな組織のマネジメントをサポート。
独自のアルゴリズムで人材分析を行う人事支援アプリ『CrewDocks®︎』を開発。
TikTokに「人間関係づくり」をテーマにしたショート動画を配信し、フォロワー数は11万人を超える。