人を評価するときは、成果を評価することが多いです。売上など数字となって表れる部分を、評価基準をもって評価します。主観を伴わずに評価することができますし、人による「評価のブレ」もなくなります。
しかし、「評価」を評価された者の「次への成長のステップ」と捉えるならば、数字にはできない部分を評価すべきです。それがたとえ売上に直結しなかったとしても重要なことなのです。
例えば、組織でのミーティングの中で他者の言葉に真剣に耳を傾けることができるスタッフがいたとします。そのこと自体が「売上」に関わることはないでしょう。
真剣な表情ですが、右の耳から左の耳へこぼれ落ちていることもありますし。
それでも構わないのです。
その人が真剣に聞くことで、そこにいる誰かは、「話す」ということに対するモチベーションの維持に役立っているはずです。そこをきちんと評価していただきたいのです。
リーダーは、スタッフの「影響」や「貢献」を意識して捉え、フィードバックしてあげてほしいのです。この「数字」にできない「影響」や「貢献」を意識して捉える感覚は、リーダーに欠かせない感性だと思います。
「いつも気持ちのいい挨拶ができるね」
「あなたがいると話し合いが活性化するね」
「そこにいるだけであたたかい気持ちになるね」
このような「数字」にできない、その人の「影響」や「貢献」を言語化します。スタッフにとって、自分の「存在価値」を知る機会になり、少なからず自己肯定感にも影響を与えることでしょう。
それだけではありません。
周りのスタッフもまた、リーダーの視点に触れることを通して、「人の良いところを見つける」ということの大切さを学びます。チーム全体が意識して、スタッフの「影響」や「貢献」を言語化していくことは有効です。
自分の存在を認めてくれる人がいる。
これは人間にとって、とても大切なことなのです。人が辞めない組織をつくるためにも、心がけていただきたいと思います。