売上を上げるために欠かせない「紹介」を生み出すすごい方法

あるトップセールスマンとお話をする機会がありました。
保険業界でトップ10%に入る売上を誇ると言います。

売上が多いわけですから、よほどクロージングが上手いのだろうか、と思って尋ねましたら、大切なのは話術ではないようなのです。

売上のポイントになるの紹介ですよ」

そうおっしゃられました。
既存のお客様が、次のお客様を紹介してくださるのだそう。
「友人の紹介」ということで、売り込まずに買ってもらえる。
そんな好循環が生まれているそうなのです。

これはまた、別のセールスマンのお話。
その方もまた、ものすごい売上を上げている方なのですが、こんなお話をされていたんです。

「ほとんどのセールスマンは売って終わり。一流のセールスマンは売ってからが始まり」と。

真意がわからなかったので、もう少し詳しくお聞きしましたら

「その後の付き合いで、どんどん新規顧客を紹介してもらえる流れをつくるんだよ」

と教えてくださいました。

売上アップの鍵は、どうやら「紹介」にありそうです。

紹介を生み出すちょっとズルい方法

では、既存客に「誰か紹介してくれませんか?」とお願いしたら、簡単に紹介してもらえるのでしょうか。
それは無理ですよね。

では、どのようにすれば「紹介」が生み出せるでしょうか。
実は、既存客の「ものの見方や考え方」の傾向を知れば、紹介を生み出しやすくなるのです。

私たちは個々の「ものの見方や考え方」の傾向を知るためにSTR(素質適応理論)を活用しています。
既存客の情報をもとに、相手のタイプを知ることができるのです。

結論から話をしてほしい□タイプは、「誰か紹介してくれませんか?」が苦手です。
そもそも売り込まれるのは誰でも嫌なもの。
これから売り込みに行く相手として、わざわざ自分の大切な人を紹介などしたくありません。

こんな人には、具体的に「どんな人を紹介してほしいか」を伝えてみてください。

「最近、車を買い替えた人はいませんか?」
「最近、子どもが生まれた人いませんか?」

そう、尋ねられたら、ふっと頭に数人浮かびます。
「誰か紹介してくれませんか?」では浮かばなかった紹介相手が自然とイメージできる状態になります。

あとは、紹介するメリットをお伝えください。
お客様があなたに新しいお客様を紹介するメリットです。

それは決して「お金」や「サービス」でなくても構いません。
むしろ「これだけお金を上げるから紹介してください」は、あまり良い気持ちにはさせないかもしれません。

お客様にとってのメリットを示すことは、売り手の「誠意」を表現していることだと考えてみてください。

紹介を生み出すために信頼関係をつくること

では、○タイプならどうでしょうか。

○タイプのセールスマンにセールスの極意をお聞きしましたら、こんなこと言うんです。
「お客様と仲良くなることですよ」って。

どうやらその方、お客様と会って食事をする、お茶をする、ただそれだけのために会いに行くんだそう。
売り込むわけでもなく、ただ仲良くなりに行く。

□タイプにはとても非効率に見えますが、○タイプはそれでいい。
お客様もきっと◯タイプなのでしょう。

とにかく一緒の時間を過ごして仲良くなると、自然と紹介していただけるんだとか。
そんなときの紹介の文句がまた素晴らしくて。

「いい人いるから紹介するよ」

○タイプは「いい人」が好き。
だから、「いい人」を「いい人」に紹介したいんですね。

それで、そのセールスマンが「いい人」かを見定めるには、やはり一緒に過ごす時間が必要なのです。

売上を生み出すマネージメント

ですから、ここはリーダーの手腕が問われます。

ポイントはお客様の「ものの見方や考え方」の傾向に合わせて、同じ感性をもったセールスパーソンを配置していくことにあります。

○タイプのお客様には○タイプのセールスパーソンを。
□タイプのお客様には□タイプのセールスパーソンを。

こんな一工夫だけでも、コミュニケーションはずいぶんスムーズになります。
当然、会話も盛り上がります。

適材適所に配置することは、マネージメントの鍵なわけですが、やはり誰と誰をマッチアップさせるか、というところも大事なんですよね。

サッカーで例えるならば、相手がサイドの選手をスピードのある選手に交代させたとします。
当然、監督としては同じサイドに、相手のスピードに負けない選手を配置するはずです。

相手に合わせて、こちらも選手を替えるのは当たり前のこと。
ビジネスの世界も同じです。
お客様に合わせて、セールスパーソンを替えるのは、マネージメント層が打てる采配です。

さて、では残された△タイプのお客様には△タイプのセールスパーソンを当てれば良いのか、というと話はそう単純ではありません。
ちょっと扱いが難しいのは△タイプの皆様。

そのお話はまた今度にしましょう。

この記事を書いた人

くればやし ひろあき

株式会社ミナクル組織研究所 代表取締役

「自分で考え、自分で行動する人を育てる」をモットーに、16年間公立中学校で3,000人以上の子どもたちや若手教員を指導。当時世界最大の児童生徒数だった上海日本人学校や市内で最も荒れた中学校などで生徒指導のリーダーを務める。
独立後はその経験を生かして講演活動を行う傍ら、セミナーやコンサルティングを通して、企業や学校、チームからご家庭まで、大小さまざまな組織のマネジメントをサポート。
独自のアルゴリズムで人材分析を行う人事支援アプリ『CrewDocks®︎』を開発。
TikTokに「人間関係づくり」をテーマにしたショート動画を配信し、フォロワー数は11万人を超える。